
土を耕し、心を耕す vol.2
中込 三彌子さん
わたしたちは、ほかのいのちをいただきながら生きています。田畑でいのちを育みながら土に触れると、心もじんわりと豊かになるような気がします。
このコーナーでは、「農ライフ(=農と共にある暮らし)」を楽しんでいるいのちのごはんのメンバーを紹介していきます。
2回目の登場は中込 三彌子さんです。すでに、ご自身で畑をされている中込さんですが、いのちのごはんに出会ってどう変化したでしょうか!中込さんの寄稿文をご紹介します。
小さな畑を耕して
野菜をつくっていました
小さな畑を耕して、色々な野菜を作っています。種を蒔き、芽が出てきたときはかわいくて、だんだん育っていく様子を見るのも楽しくて、収穫した野菜を食べるときはおいしくて畑のありがたさを感じる日々でした。
ところが、だんだん年をとり畑仕事をすると体が痛むようになってきました。特に夏の草取りは大変で、右肩から背中が痛くなり、鉄板が張り付いているような背中に悩まされるようになりました。こういうことが年を取るということなのだなあ、と実感する日々でした。シップを貼ったりマッサージに通ったりして何とかだましだまし畑仕事を続けていました。

昨年の2月、「いのちのごはん」の活動に参加しませんか、と誘われました。子供たちに安全な野菜を食べてほしい。そのために農薬や化学肥料を使わない農業を推進して学校給食に安全な野菜を提供する。というようなことがこの会の趣旨らしい。私はこの趣旨に賛同して、「いのちのごはん」に仲間入りさせていただきました。
「いのちのごはん」との出会い

人参がじょうずにできた
「いのちのごはん」では、実験農場で実際に野菜作りをしています。人参の種まきをした時は、専門農家の礼子さんに指導をうけたのですが、その丁寧な作業にびっくりしました。自己流の野菜作りがいい加減だったなあと実感したことでした。
まず、種を蒔く前に、線上に水を撒く。その上に約1㎝間隔に一粒ずつ丁寧に種を蒔く。種の上に薄く土を被せ、更にもみ殻を被せる。最後にたっぷりと水をやさしくかける。という手順でした。
次の日、私も自分の畑に人参の種まきをしました。そして、「いのちのごはん」農場で間引きをすれば、私も間引きをする。というように「いのちのごはん」に習って人参を作りました。
そしたら、なんと、立派な人参が育ったのです。私は、初めて、きちんと世話をすることの大切さを学びました。

みんなで作業をすると楽しい
「いのちのごはん」では、借りている畑の土づくりから始まって、種まき、草取り、収穫、給食への納品作業など、会員が集まってみんなで作業をします。1人で働いている時にくらべて、仲間との作業は楽しい!のです。神田代表の話によると、作物にも会員の楽しい話し声などが伝わっているのだとか。
そうして、私は、野菜作りに対する気持ちが前向きになってきて、我が家の畑ももう少し頑張ってみようと元気が出てきたのです。

先進地域に学んで
「いのちのごはん」では、隔月に「有機農業講座」も開催しているのですが、その中で学校給食をすでに有機野菜で提供している地域がいくつもあることを知りました。私たちの体は食べたものによってできているにですから、特に子どもたちには安全な給食を提供したいと思います。それらの地域の学校では、子供たちが美味しいといって給食を食べ、残飯がほとんど出ないということです。
子供たちに安全で美味しい給食を、という思いは誰にでも共感してもらえる願いだと思います。だから、この思いの輪が広がって、この地域でも有機野菜や有機米の給食が実現したら素晴らしいことだと思います。
今、「いのちのごはん」の活動に参加し、仲間と交流し、この輪を広げていけたらという思いが、今の私の元気の源になっています。